箱根

2024.03.15

  • 観光

芸術と自然にゆったり浸る!箱根仙石原のおすすめスポット紹介

小田急電鉄/登坂 諒平 

箱根仙石原には、黄金色に輝くススキの草原や魅力たっぷりのミュージアムをイメージする人も多いでしょう。事実、仙石原は豊かな植生に恵まれた自然と、個性的な美術館を擁するエリアです。この記事では仙石原の代表的な見どころと、モデルコースをご紹介します。

 

 

※ページ内の情報は2024年3月現在のものです。
※ページ内の画像はすべてイメージです。

箱根仙石原はどんなエリア?

東西8km、南北12kmという大きなカルデラを形成している箱根火山。3,000年前の噴火で早川がせき止められ、カルデラの北西部に誕生した湿原が現在の仙石原です。

古くから人は住んでいましたが本格的なリゾート開発は明治時代以降。現在では宿泊施設や企業の保養所、飲食店、そしてさまざまなミュージアムがエリア内に広がるリゾート地となっています。

仙石原で芸術鑑賞

数多くの美術館や博物館がある箱根ですが、仙石原にある美術館は粒ぞろいです。仙石原を、そして箱根を代表するミュージアムを3つ、ご紹介します。

箱根ガラスの森美術館

出典:箱根ガラスの森美術館

かつて「箱根裏街道」と呼ばれ、多くの旅人が行き交った国道138号線。美しい木立の中に、日本初のヴェネチアン・グラス専門美術館「箱根ガラスの森美術館」があります。

敷地に入ると、出迎えてくれるのは「光の回廊」と名付けられた高さ9mほどのアーチ。こちらは約16万粒のクリスタルガラスが使われており、光と風が織りなすその美しい姿は一時として同一にはなりません。四季を通じて美しいきらめきを見せる「光の回廊」ですが、秋の紅葉シーズンは風向きの関係もあり、その姿がより一層映えるとのことです。草木の花や仙石原のシンボルともいえるススキ、クリスマスツリーをモチーフにした季節ごとの展示も必見です。

館内での展示は「ヴェネチアン・グラス美術館」と「現代ガラス美術館」にわかれます。この美術館の主力とも言えるヴェネチアン・グラスは、その歴史が持つ重みを感じさせる展示物が並びます。現代のガラスアートと見比べることで、ガラス作品をとりまく時代の移り変わりを感じることができます。

「ガラスの体験工房」では、ガラスに好みの絵柄を彫ることができるサンドブラスト、オリジナルアクセサリーを作成可能なフュージングを体験できます。期間限定で別の体験工房が開設されていることもあります。

見学の所要時間は1時間ほどを見ておいてください。ガラスの体験工房はサンドブラストが60分程度、フュージングは20分程度ですが、フュージングは体験終了から作品を受け取るまでに焼成のため70分ほどかかります。

■「箱根ガラスの森美術館」基本情報

・〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
・10:00~17:30(入館は17:00まで)
・成人の日の翌日から11日間は冬季休館、天候不良や交通事情等による臨時休館あり
・箱根登山バス「俵石・箱根ガラスの森前」下車すぐ
・0460-86-3111
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

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箱根ラリック美術館

出典:箱根ラリック美術館

飲食店や商業施設も並ぶ仙石原の中心部近く。フランスを代表するガラス工芸家、そして宝飾デザイナーである「ルネ・ラリック」の作品を数多く展示している「箱根ラリック美術館」があります。

「ルネ・ラリック」はアール・ヌーヴォーとアール・デコ、2つの時代に渡り活躍した芸術家です。その足跡を辿ることができるのが「箱根ラリック美術館」で、正面玄関を入って左手にあるカフェレストランには、彼が内装を手掛けた「オリエント急行」の車両が展示されており、来館当日先着順で車両内でティータイムを過ごすことができます。

奥にあるミュージアムへは、森と小川がある気持ちのよい遊歩道を通ります。草花をこよなく愛したと言う「ルネ・ラリック」ですから、自然豊かな箱根に彼のミュージアムができたことは必然だったのかも、と感じるかも知れませんね。

ミュージアムに展示されている作品の数は230点ほどです。数々の香水瓶や、傑作も多いジュエリー、花器といった作品を楽しみましょう。実は収蔵作品数は1500点ほどあり、随時行われる展示替えで展示される作品が変わりますので、再訪時には違った展示を見ることができます。

■「箱根ラリック美術館」基本情報

・〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186-1
・9:00~16:00(美術館入館は15:30まで)
・毎月第3木曜日休館(8月は無休)、展示替えのための臨時休館あり
・箱根登山バス「仙石案内所前」、または小田急ハイウェイバス「箱根仙石案内所」下車徒歩3分
・0460-84-2255
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

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ポーラ美術館

出典:ポーラ美術館

仙石原の中心部から強羅へ抜ける街道。山々の豊かさを感じる木々の間を縫うように通るこの坂道を登ると、箱根の自然と美術の共生をコンセプトに掲げている「ポーラ美術館」が見えてきます。

1万点という圧倒的なコレクション数を誇る「ポーラ美術館」の開館は、2002年のことでした。目玉は「モネ」あるいは「ルノワール」といった印象派の巨匠たちによる作品の数々。印象派絵画のコレクションとして、日本最大級との評価も得ています。

さらに、ポスト印象派を代表する画家である「ゴッホ」、キュビズムの創始者にして20世紀最大の芸術家とも評される「ピカソ」の作品も。日本からはエコール・ド・パリの寵児と呼ばれた画家「レオナール・フジタ」、さらには日展三山のひとり「杉山寧」と、誰もが知る画家の作品が展示されています。近年では現代アートの収集・展示にも力を入れています。

箱根の豊かな森の中にある「ポーラ美術館」は、周囲の景観と調和するよう、建物は高さを抑え地下にその多くを配置しました。天井や壁にガラスを多用することで、美しい光や緑を館内にいても感じることができます。ポーラ美術館のもう一つの楽しみは、森の遊歩道です。季節を感じながら、気持ち良い時間を過ごすことができます。

大小5つの展示室を使った企画展と常設展が常時開催されており、見学には90分程度を見ておきたいところ。駆け足ではもったいない美術館です。

■「ポーラ美術館」基本情報

・〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
・9:00~17:00(入館は16:30まで)
・年中無休、展示替えのための臨時休館あり
・箱根登山バス、観光施設めぐりバス「ポーラ美術館」下車すぐ
・0460-84-2111
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

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仙石原で自然を体感

仙石原の魅力は、箱根の火山活動により誕生した湿原が育んだ豊かな植生にもあります。次からは豊かな自然を感じられるスポットをご紹介します。

仙石原すすき草原

箱根仙石原のシンボルというだけでなく、「かながわの景勝50選」そして「かながわの花100選」にも選定されているのが「仙石原すすき草原」です。

早春の山焼きにはじまり、緑のうねりに新しい生命を感じる春から夏を過ぎ、秋には黄金色に波打つ草原が、箱根外輪山と調和した絶景を見せてくれます。草原を横切る形で、一本道の遊歩道が整備されていますから、ススキの生える中に入ることができます。遊歩道にはアップダウンだけでなく凹凸もありますので、歩きやすい靴を履いて行きましょう。

秋のシーズンにはススキ目当ての観光客が多く、細い遊歩道が人でいっぱいになることも。駐車場も混雑しますし、付近の道路では渋滞も見られますので、できればピークを外して訪れたいスポットです。

この草原は仙石原の自然の地形ですので、管理施設があるわけではありません。それでも周辺には古民家カフェや甘味処、イートインスペースを持つペーストリーやベーカリー、そしてコンビニエンスストアもありますから、草原の散策でのどが渇いても安心ですね。そば処やラーメン店、郷土料理店といった飲食店もありますから、このあたりでランチタイムを過ごすのも楽しそうです。

草原の鑑賞に要する時間は、撮影をしながら遊歩道を往復したとして60分ほどを見ておきましょう。

■「仙石原すすき草原」基本情報

・〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原
・24時間営業
・年中無休
・箱根登山バス、観光施設めぐりバス「仙石高原」下車すぐ
・0460-84-3500(箱根仙石原観光協会)
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

箱根湿生花園

出典:箱根湿生花園

「箱根湿生花園」は、日本各地の湿地帯に生きる植物200種に加え、草原の植物から高山植物まで、およそ1,100種類もの植物が集められている植物園です。

例年、3月の春分の日前後に開園します。その頃に咲くのはセツブンソウやフクジュソウ、少し遅れてスプリング・エフェメラルと呼ばれる可憐な花々。同時期に人気を集めるのは湿地に育つミズバショウです。初夏を迎える頃には咲く花の種類も増え、湿原ではサクラソウやカキツバタが競うように花をつけます。

6月はこの植物園が一番美しい時期で、ニッコウキスゲやヒメサユリなど100種類ほどの花が咲き乱れます。仙石原の湿原を代表する花、ノハナショウブが咲くのは7月。ヤマユリやコオニユリといった存在感のある花々がさわやかな仙石原の夏を彩りますが、8月の旧盆を過ぎる頃になると主役は秋の花に。ススキが見頃を迎えるまでは花がありますが、11月には草紅葉や木の実が彩りの中心に移り、やがて冬となり植物園はしばしの休息に入ります。

「箱根湿生花園」を歩いた後は、管理棟にもぜひ立ち寄りましょう。仙石原の動植物を紹介するパネルがある展示室、15分ほどで植物を紹介する映像が上映されています。売店では新しい発見があるかも。見学の所要時間は、植物園が40分ほど、管理棟で20分ほどの合計60分と考えてください。

■「箱根湿生花園」基本情報

・〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817番地
・9:00~17:00(入園は16:30まで)
・開園期間(2024年は3月20日~11月30日)無休
・箱根登山バス「仙石案内所前」下車徒歩8分
・強羅あるいは小涌園から「湿生花園前」行きバスに乗車、終点下車すぐ
・0460-84-7293
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

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仙石原観光おすすめコース

魅力たっぷりの仙石原エリア。効率的に美術館を巡るコースと、自然を楽しむコースのちょっとしたコツをご紹介します。

3つの美術館を1日で巡るよくばりコース

仙石原の主要な美術館を、駆け足にならないように1日で巡るコースです。いずれかの美術館に併設されているカフェでお茶を楽しんだり、ミュージアムショップを見たりする時間を取ることが可能なスケジュール感と考えてください。

午前中は「ポーラ美術館」をじっくり見学

出典:ポーラ美術館

このコースの起点は「ポーラ美術館」です。9時から開館していますが、遅くても10時までには入館したいところ。ゆっくり回ったら、バスで「仙石案内所前」方面に向かってください。「川向」バス停付近には複数の飲食店やカフェがある穴場で、ランチタイムをそちらで楽しむのもおすすめです。

ガラスにまつわる2つの美術館を巡る午後

出典:箱根ラリック美術館

次に「箱根ラリック美術館」を見学しましょう。その後、バスで「俵石・箱根ガラスの森前」に向かってください。工房での体験を予定していた場合は15時頃までには入りたいですね。17時過ぎには、3つの美術館見学を終えられるはず。

仙石原の自然を楽しむコース

仙石原の自然は、春夏と秋で楽しみ方が変わります。注意したいポイントとして、「箱根湿生花園」と「仙石原すすき草原」の移動はゆっくり歩いて20分弱かかることと、直接往来するバスがないことです。バス利用で湿生花園にアクセスする場合は、徒歩8分の「仙石案内所前」での乗降をおすすめします。

仙石原の春夏は百花繚乱

出典:箱根湿生花園

多くの花が咲き乱れる仙石原の春と夏は、さまざまな花に出会うことができる「箱根湿生花園」をメインに考えたいところです。「仙石原すすき草原」と巡る順番はどちらでも構いません。

注意したいのは時間帯で、より美しく自然を楽しむためにおすすめできるのは午前中です。少し朝が早くなりますが、8時頃に草原を見学し、9時開園の湿生花園をゆっくりと、というコースがこの季節のおすすめです。午後も日が傾いてからならコンディションがベターになりますから、16時頃に湿生花園を見学し、そこから草原を目指すプランもよさそうです。

黄金色に輝く絶景に出会う秋

ススキが色づく9月下旬から11月上旬は、仙石原のベストシーズン。休日の昼間から夕方にかけては、特に多くの人で賑わいます。そこでおすすめしたいのが、朝の時間帯の散策です。

一般に、日の出日の入りの前後30分ほどが絶景のタイミングと言われています。ただし、ススキの輝きは太陽が顔を出している時間帯のみ。仙石原のススキは日の入り前が絶景ということがよく知られていますが、日の出から午前中の早い時間帯の散策は、比較的空いている中で美しい風景を目にすることができるチャンスが大きくなります。

参考までに、箱根町役場付近での日の出時刻は、9月20日頃で5時30分頃、11月1日頃で6時5分頃です。山がありますので、実際に太陽が顔を出すのはもう少し後です。秋の仙石原は冷え込むことも多いですから、日の出時間帯に散策する場合防寒対策を忘れないようにしたいですね。

まとめ

すすきが広がる草原など、箱根の中でも開放的な雰囲気を持つのが仙石原です。豊かな植生が残る湿原もあり、自然が織りなす四季折々の美しさを味わえるのもこのエリアならでは。箱根という、日本でも有数の活火山の懐にいることを忘れてしまいそうになる、不思議な場所です。

個性的な美術館の存在もまた、仙石原を象徴するものです。観光地としての歴史は比較的新しいこのエリアですが、1日だけではもったいないくらいの観光スポットを有します。箱根の中でも、個性がキラリと光るエリアと言えそうですね。

珠玉のような見どころが散在している仙石原。移動には、路線バスをうまく使いたいところですね。箱根を知り尽くした小田急トラベルなら、ご希望にあわせたコースアレンジも思うまま。よりお得に予約ができる毎月9のつく日「小田急トラベルの日」も見逃せません。ぜひ、ご利用ください。

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この記事を書いた人
小田急電鉄/登坂 諒平 

小田急電鉄勤続11年。駅・車掌・運転士業務を経て、現在はWEB関連業務に従事。乗務員時代には通勤車両の他に特急ロマンスカーも担当し、箱根湯本に数えきれないほど上り下りしました。多くのお客様を箱根にご案内した経験を活かし、この記事を執筆。暇さえあれば旅行に出かける程、旅行が好き。

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