箱根

2024.01.17

  • 観光

深く知ればさらに楽しい!歴史を学べる箱根旅

小田急トラベル/齋藤 将人

数多くの人たちが刻んだ、悠久の歴史を有する箱根。そんな箱根の歴史をより詳しく知れば、新しい楽しみ方を見つけることができます。

この記事では、箱根の歴史を学ぶスポット、歴史的建造物、そして箱根にゆかりのある歴史的人物を紹介しています。

 

 

※ページ内の情報は2024年3月現在のものです。
※ページ内の画像はすべてイメージです。

箱根にはどんな歴史があるの?

古代より、人々は箱根で暮らしていました。その箱根が歴史の表舞台に立ったのは奈良時代、「箱根神社」の創建によって、江戸時代には東海道を行き交う多くの人で賑わうようになり、明治維新以降は国際リゾートとしても開発が進められました。

今日の賑わう箱根。それがどのように形作られていったのかを知る旅に、出かけてみましょう。

箱根の歴史を学べるスポット

長い歴史を持つ箱根ですから、その歴史を学べるスポットも十分な数があります。中でも外せない4つのスポットをご案内します。

箱根町立郷土資料館

出典:箱根湯本観光協会

箱根の歴史を、まず温泉から学ぶ。イメージしやすく、親しみやすい教材でもある温泉を軸に、箱根の歴史を知ることができるのが、箱根湯本の駅から近い「箱根町立郷土資料館」です。

常設展示では、江戸時代の「七湯」と呼ばれた箱根が「十七湯」となった現在に至るまでの歴史が、詳しくそしてわかりやすく紹介されています。湯治場から始まった箱根の温泉が、現在のような国際リゾートエリアへと変貌する歴史が凝縮された展示は、知的好奇心をそそられること間違いなし。

中世以前のさらに古い歴史を知りたいと感じたら、特別展示室も見てみましょう。地質時代から弥生期までの石器や土器、そして中世の箱根権現の成立や鎌倉幕府との関わりなど、箱根の歴史について基礎知識を学ぶことができます。

■「箱根町立郷土資料館」基本情報

・〒250-0311 神奈川県足柄下郡箱根町湯本266
・9:00~16:30(入館は16:00まで)
・水曜日休館(祝日の場合は開館)毎月最終月曜日(休日の場合はその翌日)、年末年始
・箱根登山電車「箱根湯本」駅下車徒歩5分
・ 0460-85-7601
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

箱根関所資料館

「入鉄砲に出女」。江戸時代の箱根には関所が置かれ、旅人たちを厳しくチェックした歴史があります。その「箱根関所」を完全復元したのが、かつての関所近くにある「箱根関所資料館」です。

関所の復元にあたって、当時の道具、そして匠の技を用いたというこだわり。往時の姿を完全復元している江戸時代の関所は、日本ではこの箱根だけです。旅人を改めた大番所だけでなく、上番休息所や獄屋といった見どころから、時代を感じ取ることができます。

■「箱根関所資料館」基本情報

・〒250-0521 神奈川県足柄下郡箱根町箱根1番地
・9:00~17:00(12月~2月は16:30まで)
・年中無休
・「箱根関所跡」バス停下車徒歩2分
・ 0460-83-6635
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

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箱根神社宝物殿

出典:箱根神社

箱根の歴史を語る上で欠かせない「箱根神社」。2007年にリニューアルされた「箱根神社宝物殿」は、充実した展示で歴史を学べる博物館施設です。

2階にある常設展示室には彫刻あるいは絵画、工芸品、さらには古文書といった数々の史料が展示されています。時代の範囲は奈良時代から明治時代にかけてとなり、関東総鎮守と崇められた神社の創建から栄華を極めた時代、さらには再興の時代に至る歴史を学ぶことができます。

3階は企画展示室で、フロア全体を使ってさまざまな企画展が催されます。テーマも数多く、2024年の新春特別企画展示は「武将の手紙―古文書にみる箱根信仰―」で、過去には「武士と箱根信仰」「箱根神社神像群」などのテーマが取り上げられました。

■「箱根神社宝物殿」基本情報

・〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
・拝観受付 9:00~16:00
・年中無休(展示替え等の臨時休館あり)
・箱根高速バス「山の上ホテル」下車徒歩3分(新宿より直行)
・「元箱根」または「元箱根港」バス停下車、いずれも徒歩10分
・0460-83-7123
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

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箱根旧街道石畳

天下の険として名高い「箱根八里」。箱根旧街道のかつての姿を伝えるのが「箱根旧街道石畳」です。

重要な街道であるにもかかわらず、急坂が多い上に泥道だった箱根旧街道。江戸時代に、当時としては先進的な石畳の道として整備されました。現在、箱根町側の「畑宿」から芦ノ湖畔までの区間では石畳は保存整備され、実際に歩くことができます。

足に自信のある人でしたら、かつての「箱根越え」を体験してみてはいかがでしょうか。「畑宿」バス停から「元箱根」までは、ゆっくり行っても2時間30分弱で歩けるとのこと。案内板の解説や、400本以上もある大きな木々が、東海道きっての難所だった昔を感じさせてくれます。

■「箱根旧街道石畳」基本情報

・〒250-0314 神奈川県足柄下郡箱根町畑宿176(畑宿バス停)
・24時間営業
・年中無休
・「畑宿」または「旧街道石畳」バス停下車すぐ
・0460-85-5700(箱根町総合観光案内所)
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

箱根の歴史的建造物

箱根には、中世から近現代に至るまで、その時代を伝える歴史的な建造物が数多く存在します。ここでは中世、奈良時代から戦国時代にかけて、箱根が歴史的に大きな存在感を示した時代を知るための建造物を4つ、ご案内します。

早雲寺

箱根には、数々の歴史的建造物があります。戦国武将北条氏綱が開いた「早雲寺」は、箱根湯本の歴史とは切り離せない存在といえる寺院です。

箱根湯本の町は、この「早雲寺」の門前町として始まったとも伝えられています。残念ながら最初に建立された寺は秀吉による「小田原征伐」の際に失われたものの、江戸時代に再建。今も、四季折々に美しい姿を見せています。

境内には多くの見どころがあります。戦国時代から江戸時代の文化財も多く、11月の上旬に3日間だけ限定で公開される本堂の襖絵と寺宝は必見。早雲の三男幻庵による「枯山水庭園」にも、北条五代の栄華を感じることができます。

■「早雲寺」基本情報

・〒250-0311 神奈川県足柄下郡箱根町湯本405
・9:00~16:00
・年中無休
・箱根登山電車「箱根湯本」駅下車徒歩15分または「早雲公園前」バス停下車すぐ
・0460-85-5133
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

正眼寺

歴史的な見どころも多い旧東海道沿い。多くの旅人が行き交ったこの街道沿いに佇むのが、鎌倉時代に地蔵信仰から生まれた「正眼寺」です。

曽我兄弟ゆかりの寺としても知られる正眼寺。曽我兄弟にまつわる文化財や史跡も数多く「曽我堂」をはじめ「槍突石」や「供養塔」はぜひ見ておきたいところです。「石造大地蔵」はその名の通りの大きさと迫力ですが、どこか愛らしさ、親しみやすさを感じるかも知れません。

本堂にある「金箔彩色襖絵」は江戸時代、狩野派によって手掛けられたものとされています。公開期間が限られており、毎年春秋、お彼岸の時期限定ですので、見たい人は公開期間を事前に確認しておくことをおすすめします。

■「正眼寺」基本情報

・〒250-0311 神奈川県足柄下郡箱根町湯本562
・8:00~16:00
・定休日 なし
・箱根登山電車「箱根湯本」駅下車徒歩12分または「曽我堂上」バス停下車すぐ
・0460-85-5638
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

箱根神社

芦ノ湖だけでなく箱根のシンボルともいえそうな「平和の鳥居」のビジュアルが印象的な「箱根神社」。ここも、箱根の歴史を語る上で不可欠の場所です。

奈良時代に建立された「箱根神社」は、「関東総鎮守箱根大権現」と尊崇されてきた歴史を持ちます。祭神は「瓊瓊杵尊」「木花咲耶姫命」「彦火火出見尊」の三神で、総じて称えたのが「箱根大神」です。

境内には「安産杉」や「三匿開運の碑」といった歴史を感じさせるスポット、さらには「恵比寿社」や「駒形神社」、そして「曽我神社」といった数々の社があります。歴史上の人物から名もない庶民に至るまで、人々がこの神社をどれだけ崇敬し、愛したのかを感じることができます。

■「箱根神社」基本情報

・〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
・御祈祷の受付 8:30 ~ 16:00
・お札所・御神印の受付 8:15 ~ 17:00
・年中無休(宝物殿は展示替え等の臨時休館あり)
・箱根高速バス「山の上ホテル」下車徒歩3分(新宿より直行)
・「元箱根」または「元箱根港」バス停下車、いずれも徒歩10分
・0460-83-7123
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

九頭龍神社新宮

縁結び・恋愛に抜群のご利益があるとは言え、本宮が少々アクセスしにくい場所にある「九頭龍神社」。悩める人たちが気軽に参拝できるようにとの思いから建立されたのが「九頭龍神社新宮」です。

箱根神社の参道を進み、第五鳥居をくぐると右手に「龍神水」が見えます。金運や開運、さらには商売繁盛といった、さまざまなご利益がある「九頭龍神社新宮」はこの奥に位置していますので、参拝前に龍神水のパワーをいただきましょう。

箱根にゆかりのある歴史上の人物

長い歴史を持つ箱根であるだけに、ゆかりを持つ歴史上の人物も数多くいます。箱根とは決して切り離すことのできない、4名のキーパーソンをご紹介します。

万巻上人

箱根の歴史は「箱根神社」を建立したとされる「万巻上人」を抜きにして語ることはできません。それほどまでに、「万巻上人」と箱根の関係性は深いのです。

「万巻上人」は奈良時代の人物で、757年に勅願によって「箱根神社」を建立したことで知られています。また、芦ノ湖に棲んでいた九頭龍を法力で調伏、帰依させたその龍を水神として祀ったのが「九頭龍神社本宮」という伝説も、「万巻上人」と箱根の縁の強さを感じさせますね。

「箱根神社」の北参道、入口近くには上人が葬られている「万巻上人奥津城」があります。毎月24日の午前9時から月次祭が行われますが、こちらは誰でも参列できますのでタイミングをあわせてみてはいかがでしょうか。

源頼朝

「箱根神社」は、その後に続く時代にも人々の崇敬を集めて来ました。鎌倉幕府を創設した「源頼朝」もまた、箱根とは深く関わっています。

頼朝と箱根との関係は、「平治の乱」の結果伊豆国に流刑となったことが契機でした。伊豆の霊山でもある箱根権現に深く帰依する生活を送っていた頼朝は、その信心から三度も箱根神社別当に守られたというエピソードは「箱根神社」境内にも紹介されています。

鎌倉時代においても、頼朝は「箱根神社」と熱海市にある「伊豆山神社」の二所権現を深く崇敬し、お正月には恒例行事として「二所詣」を行っていました。この2つの神社に加え、頼朝と関わりの深い「三嶋大社」を巡る旅は、歴史好きにはたまらないものになりそうです。

豊臣秀吉

鎌倉、室町時代を経て、世は戦国時代を迎えます。戦国三英傑の一角「豊臣秀吉」もまた、箱根とは深い関わりを持ちます。

箱根七湯に数えられる宮ノ下「底倉温泉」がその舞台です。秀吉による小田原征伐の際、底倉の村は占領軍でもあった秀吉の軍によりひどく荒らされます。しかし底倉は、秀吉の軍勢が蛇骨川にある天然の石風呂で疲れを癒した場所でした。

やがて秀吉は、底倉での乱暴狼藉を禁止しました。この石風呂は、現在では対岸からその姿を見るだけですが、近くの滝は「太閤の滝」と呼ばれているなど、秀吉と箱根の深い関わりを感じることができるスポットです。

福沢諭吉

明治維新を経て、時代は近代を迎えます。この近代において、箱根との関係が深い人物を一人選ぶとしたら「福沢諭吉」の名をあげることができます。

明治時代、東京の拠点性が飛躍的に高まるのに伴い、保養地としての箱根が注目されるようになりました。1873年「福沢諭吉」は「箱根の発展には道路整備が不可欠」と新聞に寄稿します。これを契機に、箱根の温泉街の人たちは積極的に道路や鉄道を整備、アクセスの向上に大きく寄与することとなります。

「福沢諭吉」に師事し、国際観光の重要性を説いた「山口仙之助」が創業したのが、日本における洋風ホテルの草分けともされる「富士屋ホテル」です。これを嚆矢に、箱根は国際リゾートとしてさらなる発展を遂げ現在に至ります。

まとめ

「歴史を知ると、箱根はもっと面白い!」これは「箱根町立郷土資料館」のキャッチフレーズともいえる言葉ですが、箱根の歴史的スポット、歴史的建造物、そして関わった歴史上の人物を並べると、箱根には長く、そして豊かな歴史があったことを実感します。

歴史を知って、より楽しい箱根の旅を満喫しましょう。

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この記事を書いた人
小田急トラベル/齋藤 将人

小田急トラベル勤続25年。店舗カウンター業務を経て、現在はWEB関連業務に従事。対面販売にて数多くのお客様を箱根にご案内した経験を活かし、この記事を執筆。暇さえあればプライベートでも箱根に訪れるほど、箱根を愛してやまない。総合旅行業務取扱管理者。

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